GLP-1ホルモン療法とは
GLP-1は、食後に小腸から出るホルモン「インクレチン」の1つです。血糖値が高い時だけ膵臓に作用し、インスリンを増やして血糖をコントロールすることから糖尿病の治療薬として広く使用されてきました。膵臓に作用して血糖のコントロールをする以外にも、胃から腸への排出を遅らせたり、食欲中枢に働きかけて食欲を抑えたり、基礎代謝を上げたり、脂肪を分解させやすくするなど肥満治療(ダイエット)にも有効です。
期待される効果
・食欲を無理なく低下させることで、普段よりお腹が空かなくなり少量で満足する。
・胃の内容物排泄が緩やかになり食事をしても満足感が持続する。
・脂肪細胞にも作用し、脂肪分解と熱産生を促進させる。
このような特徴から、アメリカではGLP-1はホルモン療法として使用されていました。
上記以外にも、GLP-1は食べ物を食べると小腸から分泌されるため、全身の臓器に対しても様々な良い効果をもたらしてくれます。
4つの働き
1. 血糖値の上昇を防止
GLP-1はインスリン分泌をコントロールし、食後の血糖値の上昇を抑えます。また、胃の内容物をゆっくり消化して、血糖値の急上昇を防止します。
2. 自然な食欲抑制
GLP-1の見逃せない作用が、食欲を自然に抑えるというものです。GLP-1が分泌されると、脳の食欲中枢に満腹だから食べなくてOKというシグナルを発生させるため、食欲を抑制し、食べ過ぎなどを防ぐことができます。
3. 太りにくい(リバウンドしにくい)体質に
GLP-1はもともと体内にある食欲を抑えるホルモンです。痩せるとGLP-1濃度が上がりやすくなるため、痩せやすい太りにくい体質になっていきます。無理なく太りにくい体質へと改善していきます。
4. 健康的な体づくりをサポート
肥満に関連する合併症を防ぎ、健康的な体づくりをサポートしていきます。
GLP-1の多彩な生理作用
脳… 食欲低下で体重増加抑制
胃… 胃の内容物排泄をゆるやかに
すい臓… 糖尿病予防
腎臓… ナトリウム排泄増加
免疫系… 炎症抑制
心血管… 心筋保護・新機能増強
肝臓… 脂肪肝減少、グルコース生産抑制
効果としては脂肪燃焼、食欲以外にも認知機能を高めたり神経細胞を保護したり糖尿病の予防や治療など、このような様々な良い作用が認められてきました。
GLP-1ホルモン療法は毎日「痩せるホルモン」を注射するだけで食欲が低下し、食事をしても少しの量で満足してしまうという画期的なダイエット治療法なのです。
GLP-1ホルモン療法は一日1回ホルモンを注射していただくだけのセルフダイエット注射です。一度診察を受けていただいたあとは、ご自宅でストレスなく注射するシンプルな治療になりますため、クリニックに通わずに行なっていただけます。
GLP-1の安全性
GLP-1ホルモン療法はアメリカのFDA(食品医薬品局)で安全性が保証され、さらには韓国の食品医薬品安全所で許可、欧州連合(EU)加盟28か国で承認されている肥満治療法です。
肥満大国と呼ばれているアメリカや韓国、EUでは、すでにこの「GLP-1ホルモン療法」にいち早く注目し、今では安全な治療として取り入れられているダイエット法になります。
総院長自ら検証!
城野親徳総院長
当院で行っている長寿外来ドック(注:現在は行なっておりません)で検査したところ、体の焦げつき度合いを示す糖化度(AGE値)が異常に高く、このまま放置しては重篤な状態になっていくことが分かりました。これをきっかけに、本気で糖質制限を行うことに。結果、7〜8キロのサイズダウンに成功しましたが、 ストイックに糖質制限をしなければならず、これを継続してさらにAGE値を下げていくのは至難の技でした。そこで出会ったのがGLP-1ホルモン療法でした。
始めて2週間で4キロのサイズダウン、さらに2週間でトータル7キロのダイエットに成功。今ではデニムは28インチ、ベルトは女性用になるほど。
食事量が腹7分目以下に落ち着き、私が経験してきた数々のダイエット法の中で、GLP-1ホルモン療法はこれまでで最短のダイエットだったといっても過言ではありません。
GLP-1ホルモン療法について
副作用・リスクについて
食事の量が減るため、必須ビタミン・ミネラルが不足しがちになります。サプリメントの補給を心がけてください。体調によっては、便秘、下痢を起こすことがあります。便秘がちな方は市販薬を服用いただく場合があります。初期の用量調整時に吐気、嘔吐、頭痛が起きることがあります。注射部位の発赤が起こる可能性があります。
治療中の注意点
GLP-1は一度に大量に打っても早く痩せることはありません。インスリンと異なり、命に関わるようなことはありませんが、重篤な副作用が出ますので、必ず指導された用量を守ってください。また、GLP-1は膵臓を刺激する作用を持つことから膵炎の原因になる可能性が指摘されていましたが、現在は数万人規模の臨床試験で関係は否定されています。しかしながら、暴飲暴食、大量飲酒などの、それ自体が膵炎の原因になるような行為は避けてください。
未承認医薬品(国内承認医薬品)
GLP-1とは日本では糖尿病の治療として認められている薬です。GLP-1ホルモン療法はEU加盟国28カ国、カナダ、アメリカで肥満症の成人補充療法、肥満症の適応で承認を取得しています。
入手経路について
シロノクリニックで治療に用いている医薬品は、医師の判断の下に個人輸入手続きを行っています。個人輸入において注意すべき医薬品等について詳しくはこちらをご覧ください。
『GLP-1ホルモン療法』治療の流れ
【1】診察・カウンセリング
医師との診察を行います。お悩みやご要望、体質・生活習慣等をお聞きし、診察します。
【2】治療開始
医師の指導のもと、1日1回ご自宅で自己注射するだけです。毎日来院することなく、ご自宅で治療を続けていただけます。極細の針を使用するため、針の跡も残らず、出血もありません。※注射針は毎日必ず交換します。