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アザ治療の詳しい説明 アザ治療の詳しい説明
アザとその類似疾患の分類表
皮膚の色を生み出す主要な要素は黒い色のもととなるメラニンと赤い色のもととなる血液中のヘモグロビンをその中に含む血管系の異常によるものとに大きく分けることができます。

ホクロをはじめとする黒アザの種類とレーザー治療
最も出現する頻度の高いアザで、医学的には母斑細胞母斑と呼ばれています。黒アザは、メラニン色素をつくるメラノサイトとよく似た母斑細胞が、皮膚の浅いところや深いところに密集してできたものです。外見は黒色で、平らなものから盛り上がりのあるものまで、いろいろです。
母斑細胞母斑の最も小さいものがホクロですが、黒アザはホクロ型、通常型、巨大型の3つに、大きく分けることができます。その他に、アザの部分に毛が生えてくる有毛性のアザもかなりありますが、遺伝性はなく、大きくなったり広がったりすることはありません。
ごく稀ですが、手足の裏側や広範囲の黒アザは悪性化することもあるので、急に大きくなったり、色に濃淡が出てきたり、出血したり分泌物が出てきたりしたら、すぐに専門医に相談する必要があります。
==治療方法==
大きく分けて、レーザー治療、手術による治療、レーザー治療と手術を組み合わせた複合治療の、3つの治療法があります。 レーザー治療では、アザの状態に応じて、ルビーレーザーやヤグレーザー、炭酸ガスレーザーなどを、月1回程度のペースで当てます。治療の度に、アザは徐々に薄くなっていきますが、通常複数回の治療が必要なため、期間が長くかかるのが欠点です。
長所は、治療後の皮膚の状態が極めて優れていること、きれいに跡を残さずに取りたいという患者さんには最適の治療法です。手術によって切除縫合する場合、2〜3の小さな黒アザならば1回の手術で取れるため、短期間で治療を終えることができます。しかし、傷跡が残ってしまうという欠点があり、大きな黒アザでは複数回に分けて手術をしなければならないので、やはり長期間かかることになります。
手術+レーザーの複合治療では、比較的大きな黒アザでも、短期間に、できるだけきれいに取ることができるので、この方法を行う場合もあります。いずれにしても、患者さんの希望をよく聞いて、親身になって相談に乗ってくれるレーザー専門医と十分なカウンセリングをしたうえで、どの治療法をとるのかを選択されるのがよいでしょう。

ホクロのレーザー治療
ホクロのレーザー治療には、主に炭酸ガスレーザーを用います。このレーザーは水に吸収されやすいという特徴があるため、皮膚に0.1秒照射しても、皮膚の表面で吸収されて深く入ることがなく、傷も残しません。1〜2ミリの小さいホクロならば、このレーザーを0.1秒ほど、2〜3回当てるだけで、きれいに取れてしまいます。時間はわずかに1分ほど、メスで切り取る手術と違って傷跡が残ることもなく、何日もバンソーコーやガーゼなどを貼る必要もありません。翌日からは、お化粧もOK。会社が終わってから治療に来て、次の日はいつもどおりにお化粧して出社する、ということも可能です。
大きいホクロや根の深いホクロの場合は、レーザー治療でも一度に取ってしまうと皮膚に負担がかかりすぎて、くぼみが残ることがあります。私のクリニックにも「他の病院でホクロを取ったのですが、傷が残ってしまいました。先生、何とかなりますか?」と相談に来られる患者さんが時々いらっしゃいます。このような場合は、大きなホクロを1回で取ってしまったケースが多いようです。
大きなホクロや根の深いホクロは、レーザー治療でも2〜3回に分けて、徐々にホクロを縮めて取り除いたほうがいいでしょう。いずれにしても、跡が残らないで、安全で確実な治療を受けることが大切です。

有毛性の黒アザのレーザー治療
先に述べたレーザー治療の方法で、アザの状態に応じてルビーレーザーやヤグレーザー、炭酸ガスレーザーなどを、月1回程度当てます。
アザが徐々に薄くなっていくのにつれて、アザの上の毛も薄く、細くなっていきます。レーザーで毛穴や毛根がいじめられて、太い毛がうぶ毛のように代わって目立たなくなります。

レーザーでホクロが取れるメカニズム
▼ ホクロに、レーザー光線を0.1秒程度当てる。
▼ ホクロの組織内の水分が、レーザーの光を吸収して膨張する。このときホクロの周囲の血管は、熱凝固作用で一瞬のうちに固まってしまい出血はまったくない。
▼ 膨張したホクロの細胞は、内圧によって一瞬のうちに蒸散(破裂して飛び散る)する。このとき、ホクロの深部に色素細胞が残っていれば、さらに数回、完全に色素がなくなるまで、医師が目で確認しながら照射する。
▼ ホクロが蒸散した後は、新たな皮膚が修復され、傷も残らず、きれいに治る。

青アザの種類とレーザー治療
一口に青アザといっても、数種類の青アザが存在します。それらは一体どういうものなのか、どのような治療をするのか、種類別にお話ししましょう。

太田母斑
通常は顔の片方、目やほっぺたを中心に、こめかみなど、顔の部分に現れる青色、青紫色、時には茶褐色を示すアザで、日本人をはじめとする東洋人に多いアザです。発生頻度は圧倒的に女性に多く、男性の4〜5倍程度と考えられます。
==治療方法==
太田母斑の治療として従来は、体の他の部分から皮膚を切り取って移植する皮膚移植、皮膚を削り取る治療法、アザの部分を凍結させて四散させるドライアイス療法が行われきました。これらの方法では、あとに傷が残る場合が多く、患者さんの肉体的負担を考えると、理想的な方法といえるものではありませんでした。
太田母斑に関しては、現在、レーザー治療が最も優れているといってよいでしょう。特に最近開発されたQスイッチルビーレーザー、Qスイッチヤグレーザー、アレキサンドライトレーザーが最も治療結果が高く、私のクリニックでも使用しています。
このアザは通常、皮膚の浅いところと深いところの2つの層に色素細胞が散在している場合が多いのですが、皮膚の中の色素の存在状態は、患者さんによってかなり違います
また、各自の皮膚の色や色素の密度、皮膚の強さや状態、年齢や治療部位などに応じて、使用するレーザーの機種やレーザーの出力も異なってきます。ケースによっては、複数のレーザー機器を併用する場合もあります。
こうした判断は医師の治療経験の深さによるところが大きいので、少なくとも数百症例は太田母斑の治療経験のある医師にかかった方がよいでしょう。
私も、レーザー治療とドライアイス療法とを併用していた時代から現在までに、およそ3000例以上の太田母斑の患者さんを治療してまいりました。アザが消えていく過程で、患者さんの気持ちが前向きに変わっていくのを見ることは医師としての喜びですが、レーザー治療を数回行った後の最終的な仕上げの色合わせの治療の際などには高度な医療技術が必要とされます。

蒙古斑
蒙古斑は、赤ちゃんのお尻に見られるおなじみの青アザです。名前からも推測されるように、このアザも東洋人に多いアザで、日本人では90%以上の方に発生します。 通常は5〜6歳までに自然に消えてなくなってしまう場合が多いようです。なぜ自然に消えてしまうのか、その原因は明らかではありませんが、おそらくホルモンの影響であろうと考えられています。
ところが、大人になっても消えずに残る方が2〜3%いらっしゃいます。特に、色の濃いものや広範囲のもの、お尻以外にできた異所性蒙古斑は、自然に消えることはほとんど期待できません。太田母斑同様、蒙古斑も悪性化したり、盛り上がってくることはありませんが、患者さん本人にとっては重大な悩みになり得るのです。
==治療方法==
以前はドライアイス療法や切除縫合による手術で取り除くことが多かったのですが、どうしても傷が残ってしまいます。 最新のレーザー治療では、蒙古斑を傷跡を残さずきれいに取り除くことができます。ただ、蒙古斑の色素は意外に皮膚の奥にまで存在していることがあり、数回のレーザー治療が必要な場合もあります。

その他の青アザ
その他の青アザとしては、肩に現れる伊藤母斑、あごの下や首に現れる桜根母斑、青色母斑などがあります。伊藤母斑と桜根母斑は、性状は太田母斑と同じで、現れる部位が異なると考えればよいでしょう。青色母斑は比較的濃い青色を示すことが多く、形は普通米粒大くらいのホクロ様のものですが、凸凹と結節状に盛り上がっている場合もあります。このアザは稀に悪性化して、ガンになることもありますので注意が必要です。
==治療方法==
伊藤母斑と桜根母斑は、治療法も太田母斑と同じで、レーザー治療が最適です。しかし、青色母斑に関しては、稀に悪性化することもありますので、手術を第一に選択する場合もあります。いずれにしても、アザの専門医を早期に受診することをおすすめします。

茶アザの種類とレーザー治療
茶アザはかなりの種類に分けられますが、経験上、よく見られるもの3つをあげておきます。

扁平母斑
メラニンの増加によって生じる大小さまざまな茶褐色の色素斑で、通常は生まれつきに、身体中のどこにでも現れます。4〜5センチほどのものが多く、大きさは変化しません。また、色合いも普通は変化しませんが、紫外線を浴びると濃くなる方が多いのも特徴です。悪性化することはありません。
==治療方法==
基本的にはどの茶アザでも、それぞれの症状に合わせて、ルビーレーザーやQスイッチレーザーを照射します。茶アザは紫外線を浴びると濃くなる性質があるので、治療後しっかりした紫外線対策を行えば、より良い治療を得ることができます。

遅発性扁平母斑
見たところは扁平母斑とよく似ていますが、「遅発性」とあるように、生まれつきではなく、思春期前後からアザが現れるのが特徴です。扁平母斑が身体中のどこにでもできるのに対して、遅発性の場合は、経験上8割程度が胸、肩、背中周辺に生じます。
また、茶褐色で、やや太く長い毛がアザの部分に生えている「有毛性」タイプが多いのも特徴です。一度症状が固定すれば、それ以上広がることはありません。
==治療方法==
遅発性扁平母斑は、茶アザの中では最も取れやすいタイプで、通常は扁平母斑と同じようにレーザー治療できれいに取れます。しかし、毛包の再生力の強いタイプや有毛性タイプの茶アザの場合は、脱毛処理やドライアイス療法、他の種類のレーザーとの併用など工夫をこらした治療が必要となるので、医師には熟練した治療技術と判断力が要求されます。

カフェオレ斑
茶褐色(コーヒー色)の小さい色素斑で、レックリングハウゼン病という病気に伴って生じます。通常は、小児期から、茶アザが5か所以上見られます。また、皮膚に繊維腫というイボ様の大きな腫瘍ができたり、時には脳の中枢神経に異常を来たしたり、貧血、各種のホルモン異常などが起こることがあります。このような場合は全身的なケアが必要となりますので、私のクリニックでは、皮膚以外の症状については、脳外科や内科などの専門医と提携して慎重に治療しております。
==治療方法==
茶アザのほか、イボの大きくなったような繊維腫も、炭酸ガスレーザーによる治療で、瞬間的に取ることができます。

赤アザの種類とレーザー治療
赤アザは、皮膚の一部に毛細血管が集中して異常に増え、拡張した血管が寄り集まって、その部分の皮膚に血液がたくさん流れこんで溜まってしまったものです。表面からは皮膚が赤く見える状態で、医学的には血管腫といいます。赤アザを皮膚の外から指で静かに押してみると、アザの部分に溜まった血液が排除され、色が薄くなるのがわかります。赤アザには数十種類の型がありますが、日常よく見られる赤アザとその治療法を6つあげてみましょう。

単純性血管腫(ポートワイン血管腫)
赤アザの中でも、非常に頻度の高いものの一つです。生まれつき見られることが多く、平らで、色は赤色あるいは紫赤色、色や形は一生の間ほとんど変化しません。身体が大きくなるのと同じ割合で大きくなり、自然に消えることはありません。身体中どこにでも生じますが、私が見た患者さんのおよそ70%の方が顔に、10%の方が首に発生していました。 単純性血管腫は遺伝せず、悪性化する心配はありませんが、目の周囲や顔半分の広範囲にある場合は、注意する必要があります。眼球の奥の眼底で血管腫が生じた場合は「緑内障」を併発して視力を低下させたり、また、脳内で石灰化を起こした場合は「てんかん発作」などを引き起こしたりする恐れがあります。
==治療方法==
以前はアルゴンレーザーが使われていましたが、現在ははるかによいフラッシュランプ色素レーザーが使われています。 色素レーザーの波長は585〜590ナノメーター、この波長の光は赤い色にのみ反応しやすいため、肌色の皮膚表面を通り抜け、血管中の赤い色素ヘモグロビンに取り込まれて熱エネルギーを発生、瞬時に異常な血管だけを選択的に凝固破壊してしまいます。それで、正常な皮膚には何のダメージも与えずに、赤アザだけを消すことができるのです。

血管腫が浅いところにあれば、1〜2回の治療で跡形もなく消えてしまいます。しかし、深いところにある場合は5回以上の治療が必要となるので、治療期間が1年以上かかることもあります。このケースでは、色素レーザーで完全に消せる血管腫は80%程度ですが、最近は特殊な色素レーザーの治療によって、かなりの程度まで薄くすることができるようになりました。


イチゴ状血管腫(ストロベリーマーク)
イチゴ状血管腫も比較的、頻度の高い赤アザです。真っ赤な色で、表面が凸凹して盛り上がっていてイチゴのように見えるために、この名前がつけられました。 生まれて間もなく皮膚に赤い小さな点が生じて、それが1か月くらいの間に急激に盛り上がって、その後1年間くらい成長を続けますが、5歳くらいまでに縮んでくるという経過をたどるのが普通です。
イチゴ状血管腫の中でも特に盛り上がりのある腫瘤型といわれるものは、自然に消えた後に、ヤケドの跡のような色素沈着や、シワシワが残るケースが多いのです。このタイプのイチゴ状血管腫の場合は、はじめのうちは1か月に1度、後には半年か1年間隔くらいで観察して、大きく腫れ上がってくる6か月くらい前までに、レーザー治療を開始するほうがよいでしょう。
また、絶対に放っておけないタイプは目や口や耳、関節などにイチゴ状血管腫が生じた場合です。これを放置したために視力や聴力を失ってしまうケースも稀にあります。
==治療方法==
大きく分けて二つの治療法があります。
一つは半導体レーザーやヘリウムネオンレーザーなど、弱いレーザーを用いる治療法です。弱いレーザー治療は、盛り上がりの少ない局面タイプの血管腫を消すのに適しており、治療のときに痛みや苦痛がまったくないのが利点です。 もう一つは色素レーザーやアルゴンレーザーなど、強いレーザーを用いる治療法です。比較的盛り上がりの大きいタイプや急いで血管腫を消したいときに使います。弱いレーザーと強いレーザーを併用して治療を行えば、さらに良い結果が得られます。

海綿状血管腫
この血管腫は、生まれつき皮下組織の脂肪や筋肉の中などの深い部分に生じます。血管が太く、血管腫内に多量の血液を含んでいるために、半球状に盛り上がった軟らかい腫瘍として触れることができます。表面上はイチゴ状血管腫のように盛り上がっているのですが、皮膚の深い部分にあるために色調は淡い紫赤色を示し、表面に糸状の毛細血管の拡張が見られます。指で圧迫してみると、血管内の血液が排除されてしぼんでしまうのが特徴です。急激に大きくなることはありませんが、身体の成長に伴って徐々に大きくなり、自然に縮んでいくことはまずありません。
==治療方法==
大一般的には、炭酸ガスレーザーや通常の手術療法を用いた切除縫縮術(切除縫合とは違いますか)、または弱いレーザーによる低反応レベルレーザー治療が行われます。また、血管撮影などの施設のある病院や医院では、血管腫に入り込む血管を詰まらせて縮めてしまう血管閉塞法という手術を行うところもあるようです。
なお、海綿状血管腫はごく稀に、悪性化して血管肉腫となることがあります。早いうちに専門医の診察を受けるとよいでしょう。

正中部母斑(サーモンパッチ)
赤ちゃんの顔、うなじなどに見られる赤アザのうち、新生児などの額に見られるものをサーモンパッチと呼んでいます。まぶたや額の部分のアザは自然に消えることも多いのですが、眉間やうなじの部分のアザは比較的大人になるまで残ることが多いようです。
将来的に消えるかどうかは、赤ちゃんの時点では判断しにくいものですが、アザの専門医に相談すれば、アザの形や周囲の皮膚との境目の具合、色合いなどで、ある程度アザの行く先を予想することができます。
==治療方法==
自然に消えるようならそのまま放置して経過を見るだけでかまいません。残ってしまうようなら、単純性血管腫と同じように色素レーザーを用いたレーザー治療を受けるのがよいでしょう。

老人性血管腫
非常によく見られる血管腫の一つで、米粒程度の大きさで、少し盛り上がりのある赤いイボ状の形をしています。
名前から、老人にしか見られないような印象を受けますが、子供にも現れます。通常は、思春期ころから発生しはじめて、50歳くらいになると、ほとんどの人の胸や手足、顔などに出現しています。70歳くらいでは、ほぼ100%近くの人に出てくるもので、無意識のうちにどなたでも目にしていることでしょう。
==治療方法==
治療は非常に簡単で、通常は炭酸ガスレーザーや色素レーザーを1個あたり2〜3秒照射すればきれいに消えます。気にならなければ特に治療する必要はありませんが、気になる場合はあまり数の増えないうちに治療したほうがいいでしょう。


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